口座700円が教えてくれた”相続前にやるべきこと”

「相続は地獄の作業でした」――テレビでもお馴染みのあった経済アナリスト、森永卓郎さん。父親を亡くしたあと、10ヶ月近く相続手続きを続けた経験をこう表現しました。どれだけ資産があるか、どこにあるか、全く把握できていなかったのです。今回はその生の声から、私たちが『今、準備すべきこと』を整理します。

どこに何があるか分からなかった

森永さんはお父様の遺産を相続する際、預金や証券口座がどこにどれだけあるか全く把握できていませんでした。銀行からは『被相続人が生まれてから亡くなるまでの全戸籍』を求められ、その収集だけで数週間を要したといいます。さらに、ようやく見つけた口座の残高は700円――。こうした経験から、親の資産の“所在リスト”を生前に共有しておく重要性が浮き彫りになりました。

不動産を残すリスク

森永さんは実家マンションをそのまま相続しましたが、固定資産税や管理費など、維持費の負担が重くのしかかりました。さらに、相続税は現金で10ヶ月以内に納付する必要があるため、不動産だけが残ると支払いが困難になる場合もあります。『もっと早く売っておけばよかった』という言葉が印象的です。

相続ルールの“複雑さ”に備える

相続では、金融機関・税務署・法務局など複数の窓口で手続きを行う必要があります。株式や投資信託を相続する場合は取得価格の把握が難しく、譲渡時に二重課税のような問題が生じることもあります。また、介護費用の立替えや生活援助が相続分に影響することもあり、専門家への早期相談が安心です。

山下秀二行政書士事務所からのご提案

相続や遺言に関するご相談は、早めの準備が何よりの安心につながります。徳島・鳴門地域でご相談を受けてきた当事務所では、『財産・口座リストの作成』『遺言書の作成支援』『実家じまいの手続き』など、ご家庭の事情に合わせたサポートを行っています。まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

どれだけ準備しても、相続には思わぬ手間や“偶然”がつきものです。しかし、親が元気なうちに資産や口座の所在を確認しておくことで、いざという時に慌てることなく、心穏やかに手続きを進めることができます。家族で少しずつ話し合いを始めることが、最も大切な第一歩です。